すずかのプログラミング勉強記

元教員からエンジニアを目指す、プログラミング勉強記録です。

「FBCビブリオバトル」で発表した感想📚

この記事は「フィヨルドブートキャンプ Advent Calendar 2023 Part 1 」の3日目の記事です。昨日はsugiweさんの「Kaigi on Rails 2023 のデザイン #kaigionrails」でした。

はじめに

フィヨルドブートキャンプ(以下FBC)のオンライン忘年会内で開催された、FBCビブリオバトル」に参加しました。SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』について発表した感想や反省を書きます。

FBCについて知りたい人、ビブリオバトルについて知りたい人、来年の参加を迷っているFBC生に読んでいただけたら嬉しいです。

発表者

プログラミング歴8ヶ月のFBC現役生です。前職は高校の教員で、プログラミングとは無縁の生活をしていました。

人前に立つことに抵抗はありませんが、いわゆる「プレゼンが得意な人」ではないと思います。アドリブ力が皆無なので、準備をしないと固まるタイプです。

ビブリオバトルとは?

ビブリオバトルは、誰でも開催できる本の紹介コミュニケーションゲームです。 知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト

学校や企業など、様々なところで開催されているようです。

私が参加した「FBCビブリオバトル」(2023年)のルールは、以下の通りでした。

ルール

  • 技術書・仕事本・勉強本の中でオススメしたい1冊を1人5分間で紹介する。
  • レジュメやプレゼン資料などは使用しないで、できるだけライブ感をもって発表する。
  • 発表後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を行う。
  • 最多票を集めた本を「チャンプ本」、2番目に票を集めた本を「準チャンプ本」に決定する。

公式ルールでは発表後にディスカッションがありますが、FBCバージョンではありません。その場の対応に自信のない私にとっては、ありがたかったです。

参加した動機

以前、高校生ビブリオバトル全国大会の動画を見たことがあり、非常に素晴らしい発表に感動しました。いつか参加してみたいと思っていたので、今回FBC内で開催されると知り、迷わず申し込みました。

加えて、私は本を読んでもすぐ忘れてしまい、「どんな本だった?」と聞かれても上手く答えることができません。人に伝えることで、選んだ本の内容をより理解したいと思ったのも理由の一つです。

準備したこと

1. ルールの確認

FBC内でのルールはもちろん、念のため公式のルールも確認しました。 ビブリオバトル公式サイトに載っています。

2. 本を選ぶ

最終的に『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル(ジョン・ソンメズ 著, まつもとゆきひろ 解説, 長尾 高弘 翻訳) にしました。理由は、この本を読んでいるとモチベーションが上がったので、学習に悩んでいるFBC生に読んでほしいと思ったからです。

その他にも検討した本があるので書いておきます。

  • 理科系の作文技術木下 是雄 (著)
    タイトルの通り、理科系の作文について書かれた本です。私はこの本を読んで、今までなんとなく技術記事を書いてきたことを深く反省しました。 論理性を持った文章を書くのに役立つ本ですが、この本の内容を口頭で伝えるのはかなり難しいと思ったため、別の本にすることにしました。

  • 人工知能が俳句を詠む: AI一茶くんの挑戦川村 秀憲 (著), 山下 倫央 (著), 横山 想一郎 (著)
    俳句を詠むAIの開発について書かれた本です。「AI一茶くん」が改善されていく様子が面白いです。最近生成AI注目が集まっているので、興味を持ってもらえるかなと思いました。ただ、人工知能についての説明が難しく、私自身が十分に理解しきれていないため諦めました。

興味がある本を新しく読むことも検討しました。今回は他に紹介したい本があったのでやめましたが、いつか読みたいと思っているので書いておきます。

  • ピープルウエアトム・デマルコ (著), ティモシー・リスター (著), 松原友夫 (翻訳), 山浦恒央 (翻訳)
    メンターさんのおすすめ本です。サンプルだけ読みましたが面白かったです。

  • プログラミングの心理学ジェラルド・M・ワインバーグ (著), 矢沢久雄 (解説), 伊豆原 弓 (翻訳)
    「エゴレスプログラミングの十戒」の話を聞き、読んでみたいと思いました。

3. 発表メモを作る

発表する本が決まったら、箇条書きでざっくりと内容を決めました。 項目については、以下のサイトを参考にし、ほぼ同じ形式にしました。
【例文あり】ビブリオバトルの発表原稿を準備するための4ステップ - 岡本ビブリオバトル

## 問いかけ
プログラミングの勉強に悩みはある?私は沢山ある。(モチベーション、難しい課題など)

## 本の概要
- 約500ページと長いが、拾い読みでも学べることは多い。
- コードは書いておらず、キャリア・勉強法・その他生活全般。

## おすすめポイント3つ
- 勉強方法を変えるきっかけ
ポモドーロテクニック→集中力が上がった。
- キャリアの方向性を決めるヒント
キャリアをビジネスとして捉えて、専門分野を持って自分を売り出すことがいい。→専門分野の選び方のヒントが書いてある。
- コミュニケーションのヒント
人との関わり方が書いてある。→一日中人と話さず家にいるのは、独房に入れられる懲罰と同じ。

## まとめ
著者ジョンソンメズの本についてのインタビューを引用:
Q、ダメな自分を変えるにはどうしたらいい?
A、最初は、1つ、2つと(本に書いてある)小さなchangeから取り組めばいいんです。
そして、鏡をまっすぐ見て、自分を改めて評価してみてください。きっと、ダメじゃないあなたが写っているはずです。

キーワード:「悩んでいる人を励ましてくれる熱血教師本」

内容を決めるにあたって、以下のことを意識しました。

  • 共感できそうな内容を入れる
    FBCに入ったばかりの頃の自分のような人」を聞き手として想像して、話す内容を決めました。共感してもらうため、自分の経験をたくさん入れました。

  • 覚えてもらえそうなキーワードを入れる
    オンラインでも頭に残るよう、伝えたいことを端的なキーワードにしました。私は「悩んでいる人に読んでほしい熱血教師本」をキーワードにし、最後のまとめで伝えるようにしました。

4. 原稿に全ての言葉を書く⚠️

緊張すると何も話せなくなると思い、原稿に全ての言葉を書きました。

完成原稿

## 問いかけ
プログラミングの勉強に悩みはある?
私はモチベーションが上がらなかったり、難しい課題に心が折れたり、日報に書くことがなくて悩んだりしている。勉強に悩んでいる人に読んでもらいたい。

## 本の概要
- 読んだ理由
卒業生の〇〇さんにおすすめしてもらった。
- 著者
アメリカのソフトウェア開発者、ジョンソンメズ。Rubyのパパである、まつもとゆきひろさん解説。
- ページ数
500ページぐらい。ただ、この本の序文を書いたロバートCマーティンも、全部読まずに序文を書いたと公言している。加えてフィヨルドブートキャンプのメンターさんにも「全部読んでないけどいい本ですよね」とコメントをもらった。忙しい人は拾い読みでも学べることは多い。
- 内容
プログラミングのコードは一切書いておらず、キャリア・勉強法・その他生活全般。
実際最後3分の1は、筋肉の付け方や不動産投資・恋愛のやり方のことが書いてある。


## おすすめポイント3つ
- 勉強方法を変えるきっかけになる
25分で一つのタスクを決めて、タイマーをかけてそれだけに集中する、ポモドーロテクニックのことが書いてある。
実践してみて、勉強中いつの間にかTwitterを見ているのがなくなった。心構えや正しいやり方も書かれているので、すでにやったことがある人にもおすすめ。
- キャリアの方向性を決めるヒントがもらえる
自分のキャリアをビジネスとして捉えて、専門分野を持って自分を売り出すことがいいと書いてある。
例えば、
  - 苦痛に感じたことを振り返って、その苦痛を自分が解消できるか考える。
  - 就職サイトを見て、その専門が必要とされているかをチェック。
など。
何を専門として、どこで働きたいかをなかなか整理できない人におすすめ。
- コミュニケーションのヒントになる。
開発者として働くときに、望ましい人との関わり方、例えば「決して批判しない」「なんとしても議論を避ける」が書いてある。
リモートワークの章では、一日中人と話さず家にいるのは、独房に入れられる懲罰と同じ。→これを読んで、RubyコミュニテイやFBCのミートアップはプログラミングの勉強が独房にならないための役割も果たしていると思った。

## まとめ
著者ジョンソンメズの本についてのインタビューを引用:
Q、ダメな自分を変えるにはどうしたらいい?
A、最初は、1つ、2つと(本に書いてある)小さなchangeから取り組めばいいんです。そして、鏡をまっすぐ見て、自分を改めて評価してみてください。きっと、ダメじゃないあなたが鏡に写っているはずです。

一言で言うと、悩んでいる人を励ましてくれる熱血教師本。
熱血教師に励まされたい時、やる気のない時、悩んだ時に、ぜひ読んでみてほしい。

⚠️注意⚠️

FBCビブリオバトルはオンラインのため、PCに原稿を写して見ながら話すことができました。ただ録画を確認してみて、明らかに「原稿を読んでいます」という感じになっていたので、私のように細部まで原稿に書くことはおすすめしません。

またブログを書いていて初めて気づいたのですが、公式では「発表時に原稿を用意しない」が暗黙の了解になっているようです。

ビブリオバトルでは、原則 発表者は原稿やレジュメ、スライドを準備しません。

※話す内容のメモ書きや、本への付箋、ドッグイヤーなどは構わない。

これは、公式ルールには含められていませんが、ビブリオバトルの暗黙のルールです。
なぜ原稿を禁止していないのかというと、「原稿を読み上げる発表ではチャンプ本を獲得できないため、自然と読み上げない形の発表になる」という発想に基づいているためです。
知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト - なぜ原稿を準備しないのか?
ビブリオバトルで原稿を書くべきなのか?|ビブリオバトル普及委員会

伝えたいことをメモ程度にまとめておくのが良さそうです。(暗黙の了解破ってごめんなさい🙇‍♀️)

5. 発表の練習をする

発表前に30分ぐらい時間をとり、発表時間(5分)を測って練習しました。タイムオーバーしそうなことに気づいたので、原稿を削りました。

それでも不安なので、発表中見えるところにストップウォッチを置いておき、残り時間がわかるようにしておくことにしました。

参加した感想

発表は非常に緊張しましたが、大きな問題なく終えることができ、良い経験になりました。参加してよかったことを以下に書きます。

  • 色々な本を知ることができた
    他の発表者方々の発表内容が、本当に素晴らしかったです。 読んだことのない本に興味を持つことができ、これから読もうと思いました。読んだことのある本も数冊ありましたが、私が理解できなかった部分をわかりやすく発表されていて、自分の知識不足を痛感しました。
    沢山本を読み、それを自分の言葉で伝えられるぐらい理解して、知識を増やしていきたいです。

  • 本への理解が深まった
    今回発表したのが「ソフトウェア開発者の人生マニュアル」ということで、キャリアや学習の章を簡単に読み直しました。忘れていた箇所を思い出し、内容について改めて考えるきっかけになりました。
    読んだ本を忘れてしまうのが悩みでしたが、この本については自信を持って説明できるようになりました。

  • 登壇へのハードルが下がった
    発表後に皆さんから温かい感想をいただきました。原稿の作り方やプレゼンには反省点が多々ありますが、自分が発表で大事にした「共感してもらうこと」「キーワードを覚えてもらうこと」が伝わったようで嬉しかったです。
    今回FBC内で何かを発表するのは2回目ですが、今後は今回よりもビビらずに登壇できそうです。

おわりに

発表するのも他の発表を聞くのも、とても勉強になり、読書へのモチベーションが上がりました。

大変恐縮ですが、今回「SOFT SKILLS」をチャンプ本に選んで頂くことができました。景品にAmazonギフト券をもらえるそうなので、新しい本を買うのに使います🙏

改めて、貴重な機会を作っていただいたFBCの運営の方々、素晴らしい発表を聞かせてくれた他の発表者の4名の方、発表を聞いてくれた皆さんに感謝します。ありがとうございました🙇‍♀️🙇‍♀️



12/13追記:賞品をいただきました!